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エンジン/パワートレイン

【元日産エンジニアが解説】VR38DETTエンジンの性能と開発秘話!

投稿日:

VR38DETTエンジンの性能と開発秘話

 

今回は現行型R35型GT-Rのエンジンの開発に携わったヨシキさんにVR38DETTエンジンの解説と開発秘話を伺いました。日本を代表するスポーツカーGT-Rに興味のある方は必見です!

 

ロク(管理人)
ヨシキさんは以前、以前ノートe-POWER NISMOのレビューをお聞かせいただきましたが、元日産のエンジン開発のエンジニアをされていたのですね。今回は車好きならみんな興味のあるGT-Rのエンジンの開発秘話についてお聞かせください。

 

はい、2年前まで日産に勤めていて、エンジンの生産技術エンジニアをしていました。

 

R35 GT-R搭載のVR38DETTの開発に携わったという貴重な経験がありますので、機密情報の漏洩とならない程度に開発秘話をお伝えしていきます。

 

ヨシキさんの愛車ノートe-POWER NISMOのレビューは下記の記事です。

⇒【レビュー】7カ月乗って分かった!ノートe-POWER NISMOの加速と魅力!

 

 
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その1.R35 GT-R搭載VR38DETTエンジンの基本スペック

 VR38DETTエンジン スペック

出典:nissan.co.jp

ロク(管理人)
まずは、VR38DETTの基本スペックから解説してください。

 

はい、まずは、一覧にしてエンジンのスペックから解説していきます。

 

【表1.VR38DETTエンジンの主要寸法およびスペック】

エンジンのタイプ V型6気筒
排気量 3,799cc
ボア径 Φ95.5mm
ストローク 88.4mm
ボアスト比 0.93
エンジンタイプ ショートストローク
圧縮比 9.0
自然吸気/過給 ツインターボ
(NISMO仕様は専用GT3ターボタービン)
動弁機構 可変バルブタイミング (VTC)
シリンダーブロック 材質 アルミ合金 (AC2A)
構造 クローズドデッキ
鋳造方法 LPDC (Low Pressure Die Cast:低圧鋳造)
クランクケース構造 ラダーフレーム
シリンダーライナー 溶射ボア (ライナレス)
潤滑方式 ラテラルウェット&ドライサンプ

 

基本となる主要寸法は、10年以上もの間、連続で「10 Best Engine」に選ばれていた、VQエンジンをベースにしています。

 

広い意味ではVQファミリーとも言えますが、ツインターボであったりクローズドデッキであったりと細部についてはVQファミリーとは全く異なっています。

 

なぜこのようなスペックになったのか、詳細は後述しますが、日産が生産する他のV6エンジンとは差別化された特別なエンジンです。

 

ボアスト比が0.93となっており、ショートストロークなので、明らかに高回転型のエンジンとして設計されています。

 

スーパーカーですから当然サーキット走行を視野に入れており、ニュルブルックリンクでの市販車最速を目標に開発してきたのですから、7,000 rpm以上までエンジンを回すことを考えると、当然ショートストロークであるべきなのでしょう。

 

次に、VR38DETTエンジンの性能をお伝えします。

 

ノーマルのGT-RとNISMOでは出力特性が異なりますので、対比させて違いを確認していきます。

 

【表2.VR38DETTエンジンの性能】

GT-R Pure edition GT-R NISMO
車両本体価格 10,230,840円 18,700,200円
車両重量 1,760 kg 1,740 kg
最高出力 419kW (570PS)
@6800rp
441 kW (600 PS)
@6,800 rpm
最大トルク 637N・m (65.0kgf・m)
@3,300-5,800rpm
652N・m (66.5kgf・m)
@3,600-6,600 rpm
JC08燃費 8.8km/L

 

NISMO仕様のエンジンは、ベースエンジンに対してチューニングを施し、出力とトルクを向上させています。

 

この出力性能を改めて確認してみると、モンスターエンジンであることが良くわかります

 

ライバル車のエンジンの出力特性との比較については後述しますので、そこでVR38DETTの競争力を評価することにします。

 

ロク(管理人)
R35型GT-Rは発売が2007年と10年以上たっていますが、熟成を重ねてきてますね。発売時からのスペックの変遷も解説をお願いいたします。

 

はい、ではノーマルのベースエンジンは年々出力性能を向上してきましたので、その変遷も確認しましょう。

 

【表3.VR38DETTエンジンの出力特性の変遷】

時期 最高出力 最大トルク
2007年12月
-2008年12月
353kW (480PS)
@6,400rpm
588N·m (60.0kgf·m) @3,200-5,200rpm
2008年12月
-2010年11月
357kW (485PS) @6,400rpm
2010年11月
-2011年11月
390kW (530PS)
@6,400rpm
612N·m (62.5kgf·m) @3,200-6,000rpm
2011年11月
-2016年11月
404kW (550PS) @6,400rpm 652N·m (64.5kgf·m) @3,200-5,800rpm
2016年11月-現在 419kW (570PS) @6,800rpm 633N·m (64.5kgf·m)
@3,300-5,800rpm
NISMO 441kW (600PS) @6,800rpm 652N·m (66.5kgf·m)
@3,600-5,600rpm

 

2007年にR35 GT-Rが発売されて以降、VR38DETTは年々進化を続けてきており、発売当初に比べて出力で約19%、トルクで約8%も向上しています。

 

この先も休むことなく進化を遂げていくことは間違いないでしょう。

 

この勢いで行くと、いずれはNISMO用エンジンに追い付いてしまうかもしれませんね(笑)

 

 
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その2.GT-Rのライバル車のエンジンとの比較

【GT-Rボンネット内部】

 VR38DETTエンジン

出典:wikipedia

ロク(管理人)
「VR38DETT」型エンジンのスペックは分かりましたので、このエンジンが世界の名だたるスーパーカーと比較して具体的にどうスゴイのかを解説お願いします。

 

はい、VR38DETTエンジンがいかに優れたものであるか、ライバル車と比較をしてみましょう。

 

「表4」にまとめましたのでご覧ください。

 

【表4.ライバル車とのエンジン出力・トルク比較】

車種 車両重量 エンジンタイプ 最高出力 最大トルク
GT-R NISMO 1,740 kg V6 DOHC
ツインターボ
3,800cc
441kW
(600PS)
@6,800rpm
652N·m (66.5kgf·m)
@3,600-5,600rpm
レクサスLFA 1,480kg V8 DOHC
自然吸気
4,800cc
412kW
(560PS)
@8,700rpm
480N·m
(48.9kgf·m)
@7,000rpm
ポルシェ911
ターボ
1,600kg B6 DOHC
ツインターボ
3,800cc
427kW
(580PS)
6,750rpm
700N·m
(71.3kgf·m)
@2,100-4,250rpm
アウディR8 V10プラス
5.2 FSIクワトロ
1,630kg V10
自然吸気
5,200cc
449kW
(610PS)
@8,250rpm
560N·m
(57.1kg·m)
@6,500rpm

 

最近では海外のスーパーカーと比較されることが多く、世界の標準として確固たる地位を築いたGT-Rですが、ライバル車と比較してもVR38DETTエンジン単体の出力特性は全く引けを取らず、非常に高い競争力を持っていることがわかります。

 

 
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その3.「VR38DETT」型エンジンの先行開発から生産立上げまでの概要とは?

【VR38DETTエンジン】

VR38DETTエンジン

出典:wikipedia

ロク(管理人)
では、本題として、ここからは開発秘話をお願いします。

 

ええ、ここまでは前情報として、VR38DETTエンジンのスペックやパフォーマンスを紹介してきましたが、「そんなことは知っているよ。」と思われたかもしれませんね?

 

お待たせいたしました、ここからが本題になります。

 

日産の開発マスタースケジュールは社外秘の事項ですので、あまり正確な日程をお話しすることができませんが、大まかな日程がわかるように開発ステップをお伝えしていきます。

 

1.先行開発段階

 

R35 GT-Rに搭載されているVR38DETTエンジンは、日産の中でもスペシャルなエンジンとして位置づけられていて、通常とは異なる非常に長い開発期間を要していました。

 

私もすべてを理解しているわけではありませんが、少なくとも公にされている情報だけでも、2000年に先行開発に着手しており、2007年に発表発売されるまで7年間という時間をかけています。

 

通常のエンジンだと、せいぜい4年程度ですから、倍近くの年月をかけて開発してきました。

 

VR38DETTエンジンは先行開発をコスワースに委託していて、日産でも初の試みとなったものです。

 

その後も私が在籍していた期間では同様の話はありませんでしたから、本当に特別なプロセスを踏んでいたのです。

 

コスワースでの先行開発を進めるのと並行して、当然ですが車体の開発も進められていました。

 

その結果、2001年の東京モーターショーでGT-Rコンセプトを発表するに至ったのです。

 

コスワースに委託した先行開発は、2004年に本格的な実開発に移行するまで続けられてきました。

 

この間に、VR38DETTエンジンの基本スペックはほぼ決定し、採用する新技術も決定されました。

 

2.商品化開発(プロジェクト開発)段階

 

コスワースでの先行開発が日産にハンドオーバーされたのは、確か2004年頃だったと記憶しています。

 

この段階で、日産社内では開発宣言というマイルストーンがあり、これがトリガーとなって本格的な商品化開発がスタートしました。

 

この期間では、量産品の仕様を確定させるために、試作を3ロット行い、それぞれのロットで性能試験や耐久試験を行い、課題や改善点を見出し、対策を行うというプロセスを3サイクル回しました。

 

このプロセスはVR38DETTだけの特別なものではなく、MRやQR、VQなどの量産エンジンでも全く同じプロセスを踏んでいきます。

 

商品化開発というのは、設計や実験といった開発部門だけで対応するのではなく、生産技術も深く関与して、エンジンの量産仕様を決定し、生産ラインの設備仕様や生産方法、設備投資予算等を決定していく、モノづくりとしては最も需要なプロセスです。

 

VR38DETTでは、日産としては初めて溶射ボアというライナレスブロックの新技術が採用されました。

 

その他にもいくつかの新技術や新工法が採用されています。

 

商品化開発の期間には、これらの量産技術としての確立にも取り組みました。

 

非常に重い課題が山積していて、血の滲むような苦労をして、一つ一つの課題を地道につぶして、ようやくモノにしたのです。

 

この時の詳細は(6)エンジン性能上の生産技術課題にて後述させていただきます。

 

エンジンの開発や新技術の生産技術開発が進められた一方で、設備投資予算の確保や生産ラインの仕様検討・決定がなされ、着々とは言えないほどの紆余曲折や障壁がありましたが、生産準備も並行して進めていました。

 

3.開発完了以降=生産準備段階

 

エンジンの開発が完了し、各部品の量産仕様がすべて決定され、正規図面が発行されました。

 

ここからは生産準備がプランニングのフェーズからフィジカルのフェーズに移行し、本格的に生産準備が始動しました。

 

通常の新設エンジンの生産準備とほぼ同じステップと期間で生産準備がスタートしました。

 

発行された正規図を基に生産ラインの設備が発注されますので、これ以降に設計変更が入る場合は、特別な管理がされるようになり、品質上の不具合対策以外は簡単に仕様変更できなくなりました。

 

発表発売に日程はすでに決まっていて、正規図発行から約1年後には設置を完了しなければなりませんので、生産準備というのは絶対に遅らせることができないため、非常に忙しく生産準備を進めました。

 

設備を設置してから生産立上げまでは約半年しかないので、品質の作り込みや設備の信頼性向上といった泥臭い仕事が発生しました。

 

これはVR38DETTに限ったことではありません。

 

生産技術の技術力の真価が問われるフェーズなのですが、たいていの場合一筋縄ではいかず、VR38DETTでも非常に苦労をしました。

 

極端な表現をすると、寝る暇もないくらいでした。

 

生産準備段階では、通常生産試作を2ロット行うのですが、VR38DETTではたくさんの新技術を採用したことから、新技術採用工程では通常より1ロット増やし、3ロットの生産試作を実施しました。

 

ここで入念に品質を作り込み、新技術を確立させました。

 

そして生産立上げを迎えました。

 

私は部署異動があった関係で、生産試作の1ロット目のタイミングでVR38DETTのプロジェクトを抜けることになりましたが、立上げを迎えたことですべての苦労が報われたとほっとしたことを思い出しました。

 

言葉で言うととてもあっけなく思われるかもしれませんが、新しいエンジンというのは生産技術の非常に泥臭い仕事があってこそ成り立っているのです。

 

その4.なぜRB26DETTからVR38DETTに変えたのか

【RB26DETTエンジン】

RB26DETT

出典:h-stylebook.com

ロク(管理人)
名機として評判だったRB26DETT型エンジンから、現行型R35ではVR38DETT型エンジンに変更したことは、自動車ファンの間でも疑問視する声が聞こえますが、理由は何なのでしょう?

 

R34スカイラインGT-Rまではスカイライン伝統の直列6気筒の最強バージョンであった、2,600cc DOHCのRB26DETTエンジンが搭載されていましたが、R35GT-RではGT-R専用のプラットフォームになったことからV型6気筒3,800cc DOHCのVR38DETTに変更になりました。

 

GT-Rファンには何故競争力が高かったRB26DETTではなくVR38DETTに変えたのか疑問を持たれている方が多くいると思います。

 

その理由をお話ししていきましょう。

 

少し話が長くなりますが、大事なことですので最後まで読んでくださいね!

 

R35 GT-Rではクルマの運動性能を最適化するために、4つのすべての駆動輪に掛かるグリップ力を最大化することからコンセプトの検討が始まりました.

 

前輪軸と後輪軸に掛かる重量バランスを理想状態の前軸53-54:後軸46-47になるよう、重心をほぼ中心に置くことが最初に決定されました。

 

そのためには前後の重量バランスをとる必要があり、先に後輪軸側に重量物であるトランスミッションとトランスファーを配置することになったのです。

 

そして、前輪軸にかかる荷重を最適にするためには、エンジンを全輪軸よりも後方に重心が来るように、フロントミッドシップに配置する必要がありました。

 

直列6気筒で全長が長く、鋳鉄ブロックであるRB26DETTでは、前述のコンセプトを実現できないことから成立せず、アルミ合金製で軽く、かつ全長がコンパクトなVR38DETTに変更することが決定されたのです。

 

GT-Rはただ早いだけではなく、高速で安定したコーナリングを実現できるように究極の最適重量バランスを求められたため、その答えはV6しかなかったのです。

 

もしもV8やV10であったら、今の最適重量配分から外れてしまい、市販車でニュルブリックリンク最速という性能は得られなかったということになります。

 

また、日産の技術であれば、3,800cc V6ツインターボエンジンで、スーパーカーとして十分なパフォーマンスを発揮できるという確信があったことからも、不必要に気筒数や排気量を増やす必要はなかったのです。

 

とにかくR35 GT-Rは今の状態がベストなのです。

 

その5.VR38DETTは日産のV6エンジンVQファミリーとはまったく別物

【VQ35DE型エンジン】

VQ35DE型エンジン

出典:wikipedia

ロク(管理人)
フェアレディZのファンの人たちからも聞かれるのですが、VR38DETT型エンジンはVQ系のエンジンとどのように違うのでしょうか?

 

ええ、VR38DETTエンジンが量産V6エンジンであるVQエンジンのファミリーと思われている方が多いかも知れません。

 

確かにボアピッチは同一ですが、共通なのはそれだけで実は全く別物のエンジンです。

 

何が異なっているのかを列挙していきます。

 

1.構造の違い

 

VQエンジンは砂中子を使えないHPDC(高圧鋳造)で生産しているため、オープンデッキ構造。

 

VR38DETTは高出力時のボア剛性を確保するために、クローズドデッキである必要があり、砂中子を使えるLPDC(低圧鋳造)で生産している。

 

2.組み立て工程の違い

 

VQエンジンは日産いわき工場製で半自動ラインで組み立てられるが、VR38DETTエンジンは横浜工場製で、横浜工場内の匠工房と呼ばれる別室で匠と呼ばれる熟練者によって手作業で組立てられている。

 

これによって、各部品の生産でのばらつきを調整して組み立てることができ、従来の半分の性能ばらつきに低減している。

 

3.新技術が採用されている

 

シリンダボアはライナレスで、低炭素鋼を薄い鉄の膜を付着させるプラズマ溶射(PTWA:プラズマトランスファーワイヤーアーク)工法を採用。エンジン運転状態でボア間温度を約40℃下げ、さらに約3kgの軽量化を実現させている。

 

通常の鋳鉄ライナーを持つエンジンの場合はその厚みが約2mmだが、溶射によるコーティング層の厚さはわずか約0.2mmしかないので冷却性が向上し、熱効率が向上することで、高出力エンジンでありながら良好な燃費を確保することに成功した。

 

この他にも様々な新技術が採用されています。

 

その6.エンジン性能上の生産技術課題

ロク(管理人)
ヨシキさんはVR38DETT型エンジンの開発ではどの様なことをされていたのでしょうか?

 

私が直接かかわった生産技術上の課題は、新技術である溶射ボアの量産工法確立でした。

 

VR38DETT開発段階には、シリンダボア内の冷却をするために、燃焼には使われない余分な燃料を気筒内に噴射し強制冷却していたため燃費が非常に悪かったのです。

 

この対策としてシリンダボア内の冷却性能を向上するため、熱伝達を大幅に改善できる溶射ボアに白羽の矢が立ったのです。

 

採用が決まった時点での担当者はわずか3人、まだ社内には設備がない状態で、普通に開発を進めていたら10年以上かかるかもしれない新工法の開発を、わずか3年で完了させるという非常に難しい課題が突き付けられました。

 

そのため、特別なプロジェクト体制を組みました。

 

技術開発全般をリードするプロジェクトリーダー(私ですが・・・)のもと、シリンダーブロックの設計担当、材料開発の担当、シリンダーブロック加工ラインの生産技術担当、鋳造ラインの生産技術担当、鋳造工法の技術開発担当、そして溶射工法開発担当を集め、それぞれのタスクを分担して進捗を図りました。

 

また、品質保証方法も確立していなかったため、全工程を俯瞰してみる立場であった私と当時の上司がその役目を私が担いました。

 

当初、この工法の特許をフォードから買えば、既に生産ラインを引いた実績があることから、その知見を活かして開発期間を大幅に短縮できると目論んでいました。

 

しかしながらフォードにはその何の技術力も知見もなく、装置はフォードのコピーだが、日産が独自で工法開発をすることになってしまいました。

 

完全に目論見が外れたのです。

 

その時点で、生産立上げまでに技術確立するのが不可能な状況に陥ってしまいました。

 

しかしながら、そこで立て直しを図りプロジェクトスケジュールをキャッチアップするために、プロジェクトリーダである私の上司と私で課題バラシを実施し、課題解決の方策と日程や分担を決めて、何度も何度もトライアルを実施して、地道に1つ1つの課題をつぶして品質向上を進捗させたのです。

 

試作を開始した当初は全く良品が取れない状況でしたが、多くの関係者の泥まみれの仕事のおかげで、何とか生産立上げに間に合わせることが出来ました。

 

当然高レベルの専門知識が要求されるのですが、この時ばかりは体力勝負となっていまい、多大な労力を費やして何とか対応したのです。

 

私も含めた生産技術のエンジニアは、単に目の前で起きた不具合に対処するのではなく、真の原因を追究し、事実を見極めて仮説を立て、試加工により仮説を検証し、原理的に正しいことも確認して、根本原因に対する対策を立案して実行します。

 

その結果、技術的知見の集約版となるFTAを作成し、技術の伝承につなげ、DNAが引き継がれているのです。

 

ここで蓄積された知見やノウハウが、技術の伝承となり、次の溶射ボア採用プロジェクトに活かされています。

 

その7.社内でも数人しかいない、VRエンジン専任組立技能者”匠”

匠

出典:nissan.co.jp

ロク(管理人)
GT-Rのエンジン「VR38DETT」型は職人が手でくみ上げているというのは本当なのですか?

 

それは、本当の事です。

VR38DETTは匠と呼ばれる、マイスターとして認定された選ばれし精鋭たちに組み立てられているエンジンです。

 

匠以外は決してこのエンジンに関わることができないようになっています。

 

匠として認定されることは、社内だけで通用するものですが、匠になることは技能者の誇りです。

 

VR38DETTエンジンは1人の匠が1台のエンジンの最初の工程から採取工程までを担当し、この方達がエンジンのばらつきを最小限にできるのです。

 

あと匠の認定についてですが、特に試験があるわけではありません。

 

日常の業務の評価で、I,L,Uという3段階の評価がなされていて、全ての項目でUレベルになることで高技能者として認められます。

 

そのような方たちの中からさらに指名された者が匠になります。

 

たいていは40歳以上のベテランです。

 

その8.開発陣の対立

ロク(管理人)
ちょっと、ゴシップぽいことを聞いてみたいのですが、開発段階で対立の様なものはあったのでしょうか?

 

VR38DETTエンジンの開発では、特に開発陣での対立はありませんでしたが、GT-Rのプロジェクトマネージャ水野和敏と会社側には開発当初に対立があったようです。

 

GT-Rの先行開発段階では、フーガやスカイラインで使われているFMプラットフォームをベースとした開発として、開発責任者になることを打診されたのですが、この依頼を水野さんは拒否したようです。

 

その後、自らが開発していたGT-R専用のプラットフォームであるPMパッケージが採用されたことから、2度目のオファーを受けこれを承諾したことで、わだかまりもなくなり、開発が進んだということになります。

 

このように多大な苦労を要し、紆余曲折しながら、日本が産んだスーパーカーGT-Rが産声をあげたのです。

 

ロク(管理人)
今回は貴重なお話し有難うございました。開発の内幕や苦労など、直接開発に携わった人にしか聞けないお話しを聞けて、GT-Rが身近に感じることができました。

 

 

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